国際経営学部

【国際経営学部】5月24日、社会学(担当:本学部教授 山田恭稔)において、特定非営利活動法人(NPO法人)国際活動市民中心(CINGA)でコーディネーターを務める新居みどり氏とサッキャ・ミナ氏にご講演いただきました

在住外国人としての自らの経験を語るサッキャ講師

 

5月24日、社会学の後半授業(担当:本学部教授 山田恭稔)で焦点を当てる「内なる国際化:在住外国人をめぐって考える」というテーマに関連して、特定非営利活動法人(NPO法人)国際活動市民中心(CINGA)でコーディネーターを務める新居みどり氏とサッキャ・ミナ氏のお二人に、在住外国人の現状概要ならびにCINGAの活動について講演いただきました。

授業では、まず、日本の在住外国人は圧倒的に労働人口の人々であり、近年、その増加率が三代都市圏外で非常に大きいことが注意喚起されました。そして、在住外国人が抱える3つの壁(法律の壁、言語の壁、心の壁)のために、法律、教育、行政、精神的ケアなどの、彼らの生活上に生ずる多岐にわたる困り事や心配事を具体的に教えていただきました。その上で、多文化共生社会を日本に根付かせるために活動するCINGAの相談プロジェクトをはじめとする様々な活動を紹介していただきました。さらに、自治体の国際交流協会などによって催されている日本語学校が在住外国人と地域社会を結ぶための多岐にわたる機能を担っていることや、日本人側からの「やさしい日本語」が在住外国人を地域社会に包摂する上で重要であることも教えていただきました。

考えを披露し、講師との意見交換を図る学生

講師のお二人は、体験談もしばしば交え、参加者たちの理解が深まるようにご尽力してくださいました。特に、ネパール人のサッキャ氏は、20年以上前の初来日から在留資格が4度も変わった経験、コロナ禍に相談プロジェクトで受けた質問、日本のネパール人社会の様子など、当事者の目線での貴重なお話も語ってくださいました。

参加した学生からは、(単なる留学生ではない)在住外国人という普段殆ど接点がないにも関わらず日本経済の中で重要な役割を担っている人々への関心を向ける必要性、彼らが抱える様々な問題について理解することの重要性、そして、CINGAという組織が在住外国人にとっても住み易い社会をつくるために重要な活動をしている事実を知ることができたなど、在住外国人を取り巻く実態について大いに知的な刺激をもたらしました。また、この授業では受講生の約半数を留学生や交換留学生が占めていましたが、彼らからは、在住外国人の構成や取り巻く環境が変化してきたことの驚きや、自分が将来日本で直面するかもしれない雇用や医療保険に関する課題について認識を持てた、と好評でした。